臓器移植と脳死

臓器移植でよく取り上げられる問題が脳死であり、移植する場合、心停止した人から提供された臓器を移植するのが圧倒的です。
ただ、臓器移植をする場合、健康な人の臓器を移植するという、いわゆる生体移植というものもあります。
つまり、心停止した臓器の場合、臓器移植をするにあたって、非常に難しくなるということです。
基本的に、臓器移植といいうのは、働きが失われた臓器に対して、他人か臓器の提供を受ける行為に当たります。

臓器移植は、技術革新により、脳死後にでもできるようになったことで、以前よりも格段に移植できる幅が広がりました。
そして、脳死状態で、臓器移植ができるようになったことで、移植の成功率もかなり高くなってきました。
ただ、日本においては、脳死後の臓器移植の施術と言うのは、欧米と比べると、まだまだ少ないのが現実です。
今現在の判定基準が正当かどうかも疑問視されていて、脳死と臓器移植の問題は、解決に至っていません。
脳死の概念は、一般的に臓器移植を可能にするために設けられたものなので、そこに問題があるわけです。
つまり、臓器移植をしない限りは、脳死判定をする必要性はないということになるわけです。
死という事実は絶対的なものである必要があり、脳死と臓器移植は、切っても切り離せない関係にあります。
ただ、一方で、蘇生限界点は技術の進歩によって変わるという見解もあり、臓器移植の有用性が示唆されています。
臓器摘出が可能な死の時点は、脳機能の喪失ではなく、脳細胞の死滅を意味するもので、臓器移植との関連性が指摘されています。
脳死判定を受けるかどうか、また、脳死を死とみなすかどうかによって、臓器移植の考え方が変わってきます。