世の中、自分がどんなに頑張っても、生理的になじめない環境や相手の考え方次第で確立出来ない人間関係というのは点在するものです。
まあ鬱病などでもそうですが、とかくそういう捉え方をされがちです。
そして、どんどんどんどん症状を悪化させて行かれる訳ですが、それは非常に良くない捉え方だと思われます。
それに、原因が自分にあると決めつけ、一人で勝手に落ち込むという症状は、適応障害よりむしろ、鬱病に近い症状ではないかと私は思いますよ。
適応障害は、周囲の環境の中にその原因となるストレス因子を含んでいる事が圧倒的多数、いや、100パーセントだと言っても過言ではないでしょうね。
つまり、その環境に適応出来ないために様々な不定愁訴に見舞われるという原理。
正しく適応障害で、その原因は誰が見ても明らかな大きなものから、一見自分でも気付かないような小さな事まで、実に様々です。
例えば、職場環境において、一人で作業している時には全然平気なのに、グループで作業し始めると、途端に激しい頭痛や吐き気に襲われるなどという事があります。
この場合、人との調和を求められる事が原因で発症する適応障害という事になり、仕事の内容や勤務先の環境が直接的な要因とは言えないでしょう。
むしろ、必死に調和を取らなければと頑張る事がストレスになって適応障害を発症してしまっている可能性の方が高いんですね。
適応障害は、生理的に受け付けない事を必死で受け入れようとする事や強いダメージを与えられたのにもかかわらず、めげずに頑張ろうとする事が原因で発症する疾患です。
ですから、嫌なものは嫌だと、平気で放り出せればいいのですが、特に最近は就職難が騒がれ、自分の心に鞭を打つようにして頑張っておられる方も多い事でしょう。
結果、その努力が原因で適応障害の患者数が増加しているものと予測出来ます。
ようするに、自分のキャパを超える量のストレスを抱え込んでしまう訳ですよ。
鬱病の患者さんの中には、外的ストレスではなく、内的ストレスを原因としておられる方も少なくありませんからね。