この延命治療の胃ろうというのは、お腹に小さな穴をあけて、そこにチューブを通して、胃に栄養を送り込んでいくという処置になります。
これは、患者への負担が少ないことから延命治療の胃ろうをする人は、かなりの数がいます。
そして、実際の延命治療の胃ろうの効果ですが、3年以上生きている人が実に3割もいるというデータが報告されています。
そうした問題に鑑み、医学会では、その人のためにならない場合には、延命治療の胃ろうを控えるよう指示しています。
ただ、延命治療の胃ろうを控えるように言われても、当事者にとってはそれを素直には受け入れられません。
本人、家族、そして医療現場、この3つが、それぞれの立場で延命治療の胃ろうを考えていくと、実に難しい局面に立たされます。
延命治療の胃ろうは、一度始めると、亡くなるまで続けるというものなので、途中で止めるというのは、できかねます。
そうしたことから、延命治療の胃ろうの問題は、大きな波紋を投げかけているのです。
延命治療の胃ろうという手段は、元は、食道が狭くなった子供用に行われていた処置なのです。
それが高齢化社会に突入し、延命治療の胃ろうは、年寄り中心の治療へと変化を遂げていったのです。
延命治療の胃ろうは、以前は全身麻酔によって行われていたのですが、今では、局部麻酔で処置されています。
10分か15で簡単に作れるようになったことから、延命治療の胃ろうは、飛躍的に普及していったのです。
延命治療の胃ろうは、効果は高いのですが、年月が経つと、寝たきりになり、意思の疎通が段々と出来なくなってきます。
そして、手足の関節も固くなるので、延命治療の胃ろうを続ければ続けるほど、人間としての尊厳を蝕むような状態になっていきます。
つまり、延命治療の胃ろうを続けると、悲惨な姿になってしまうわけで、そこが大きな問題になっています。